沖縄訪問記 〜 戦後70年を胸に 〜
7月末、教会から夏休みをいただき、単身沖縄へ向かった。若い世代の人々に「夏、沖縄へ行く」と言えば、青い海と白い砂浜を見ながら、沖縄料理をつまみにオリオンビールや泡盛を堪能するといったバカンスを、思い浮かべる人が多いだろう。しかし、今回の目的は、70年前に日本で唯一の地上戦が行われたこの場所で「何が起こったのか」を見ることだった。
那覇空港から車で南へ約40分、沖縄本島南部である糸満市摩文仁が「沖縄戦終焉の地」である。1945年3月26日から始まった沖縄本島での地上戦は、日本軍とアメリカ軍の戦闘員同士の戦いだけではなく、住民までもが戦闘の犠牲となったことが一つの特徴だ。平和公園内には「太平洋・沖縄戦終結50周年を記念して戦没者全員の氏名を刻んだ記念碑」が列をなしている。記念碑には、沖縄戦で亡くなった民間人、軍人、国籍など、区別なく全ての戦没者の名前が刻まれている。記念碑のあまりの多さに、入口には戦没者の名前を検索し、どの辺りに誰の記念碑があるのかがわかる機械が設置されている。それだけの多くの人が、沖縄の地で戦死したことに衝撃を覚えた。
公園内にある「平和祈念資料館」では、沖縄戦当時の写真や、当時のことを詳細に記した多くの手記を見ることができる。手記の多くは、主に女性たちによって記されている。ある手記の一部を紹介すると、ある女性がアメリカ軍の攻撃から命からがら逃げ、ガマ(洞窟)の中に飛び込んだ。しかし、そのガマが既に日本兵たちの隠れ家となっていたために、強引に外へ追いやられた。ガマの外は弾丸が飛び交う戦場だ。出て行くのは兵士ではなく民間人のほうが多かったのだ。写真や映像ではなく、手記のような「言葉」でしか伝えられない現実が、戦争の中にあることを痛感させられた。
平和公園から車で約30分、北へ向かうと「沖縄陸軍司令部跡」がある。1944年、日本海軍設営隊によって、丘の中をかまぼこ状に掘って造った、洞窟型の巨大な基地である。アメリカ軍からの砲撃に耐え、持久戦を続けるために多くの兵士がここに残った。中に入ると長いトンネルのような細い道が続き、その途中に小さな部屋がいくつもあった。基地内に入った途端、湿気を感じた。私が中に入った時、数人の観光客だけだったので、まだ涼しいほうだったと思う。しかし、70年前この基地の中には、数千人の兵士がいたのだ。当時、基地内がどの様な状況だったかがわかる部屋が「兵員室」だ。6畳ほどの広さと2mあるかないかの高さのこの部屋に、数十名の兵士が詰め込まれている、当時の状況を描いた絵が飾られていた。外に出れば戦場、基地内もまた劣悪な環境だったことが想像できる。「作戦室」の隣に小さな部屋があった。沖縄戦の終焉、つまり、敗北が近づいたことに気づいた何人かの兵士は、この部屋で手榴弾を手に取り自決した。部屋の壁には、炸裂した手榴弾の跡が今でも生々しく残っている。
僅かな時間ですべてを見ることができたわけではない。私はこの旅で、悲劇が起こった事実を知ることで、平和を神様に願いながら、未来へ向けて歩むことだと、痛感した。私たち人間は「戦って」平和を実現することはできない。人間だけの力では生きていけない。だからこそ、主イエスが語る「平和を実現する人は幸い」という言葉に従って、神様と人々が一緒に喜び合える神の国を実現するため、私たちは神様に祈り、そして、人間同士が戦うことのない、未来へと歩んでいくことが神様の望みではないだろうか。これこそが、「真の平和」なのである。
(文責:執事 浪花朋久)
第10回広島平和礼拝
8月5日〜6日まで広島復活教会を会場に、広島平和礼拝が開催されました。1945年8月6日午前8時15分に、人類史上初の原子爆弾が広島の街に投下されてから70年となった今年、聖公会関係学校など、多くの若者を含め約140名が参加しました。5日の講演会では、広島復活教会信徒の大家美代子姉が被爆体験をお話しされました。その後、大家姉の孫である山下美久姉が、若者の視点から戦争と原爆の悲惨さを伝えてくださり、原爆と戦争の恐ろしさや愚かさが、次世代へと受け継がれていることを表した講演会となりました。
8月6日午前8時からの聖餐式では、8時15分から1分間の黙祷が守られました。70年前の同じ時間、同じ場所で原子爆弾がさく裂し、多くの人々の命が奪われ、その苦しみが今でも続いていることを覚えて、祈りを献げることが出来ました。
第52回中高生大会開催!
去る8月11日〜14日まで、神戸聖ヨハネ教会の藤井漱之介兄を大会長として、岡山県前島の啓明学院キャンプ場を会場に第52回神戸教区中高生大会が開催されました。今年のテーマは「宝探し」。大会中ウォークラリー、海水浴、スタンツそして肝試しなど、楽しいプログラムが盛り沢山。講話では、姫路顕栄教会出身で、敬和学園(新潟県)の聖書科教員でもある野間光顕兄から「宝探し」について、お話がありました。様々なプログラムを通して、中高生達一人ひとりに神様から与えられた「宝」を見つけることが出来たと思います。参加者は全員で70名。当教会からは中高生7名(うち高校3年生4名)、キャンプ・サーバー1名、教役者3名が参加しました。
来年度第53回大会は、徳島聖テモテ教会の松崎二千奈姉が大会長を引き継ぎました。これからの中高生のためにお祈りください。
日曜学校夏のお楽しみ会
8月23日14時から、日曜学校夏のお楽しみ会が、当教会を会場に行われました。神戸伝道区からも参加があり、子ども、中高生、保護者、教役者など50名が集いました。
お楽しみ会では、カレー作り・すいか割り・楽器作りの工作・夕の礼拝・花火大会と楽しい時間を過ごしました。今回のメイン・イベントは、鈴・マラカス・太鼓・ギターなどを自分たちで楽器を工作し、作った楽器で演奏会を行いました。
ミカエル教会の日曜学校は、毎日曜日9時半から幼稚園児から小学生までを対象に小チャペルで礼拝をささげた後、分級(お誕生日会、クッキング、外遊び、お勉強会)などを行っています。2学期(9月6日から)には、バザーやクリスマスでの聖劇なども行いますので、興味・関心のある方はぜひ日曜学校へお越しください。また、日曜学校のお手伝い(礼拝でのオルガン奏楽など)をしてくださる大人のお友達も、大歓迎いたします。
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